7月26日 産経抄
夏は暑いに決まっている。 ことさら暑い、暑いと書きたくないのだが、右を向いても左を見ても暑苦しい話ばかりである。 大ヒット映画 「永遠の0」 の原作者で、NHK経営委員を務める作家・百田尚樹氏に関する朝日新聞の記事も読むだけで汗が噴き出した。
▼見出しもおどろおどろしい。 「百田氏、番組へ異議 『強制連行で苦労』 キャスター発言に 放送法抵触の恐れ」 (25日付東京本社版) とある。 縁もゆかりもないベストセラー作家の肩を持ついわれはないが、この記事には、自分と違う考えの持ち主を排除しようとするいじめの臭いがする。
▼百田氏は、22日のNHK経営委員会で、17日放送の 「ニュースウオッチ9」 をとりあげた。 大越健介キャスターが、 「在日コリアン1世は、韓国併合後に強制的に連れてこられたり、職を求めて移り住んだ人たちで、大変な苦労を重ねて生活の基盤を築いてきた」 と発言したからである。
▼「在日」 といわれる人々の祖先は、自らの意思で朝鮮半島から渡ってきた人がほとんど。 大越氏の発言は、視聴者に 「強制連行」 を印象付けたといってもよく、東大出のニュースキャスターの歴史認識がこの程度では、百田氏ならずとも心配になってしまう。
▼経営委員会は、経営の基本方針を決める機関だが、受信料の徴収率に直結する番組について質問をするのは不思議でも何でもない。 「放送番組は何人からも干渉されない」 と規定する放送法に抵触する、とはヤクザのいいがかりに近い。
▼経営委員会は、経営の基本方針を決める機関だが、受信料の徴収率に直結する番組について質問をするのは不思議でも何でもない。 「放送番組は何人からも干渉されない」 と規定する放送法に抵触する、とはヤクザのいいがかりに近い。
▼きのう都知事と会談した朴槿恵大統領は、またぞろ慰安婦問題を持ち出したが、これまた暑苦しい。 百田氏には、いじめに負けず、韓流の歴史認識に毒されたNHKを正常化するためがんばってもらいたい。