幼い子供の事故死又は負傷は、両親又は保護者の精神が動揺して不安定になっているときに起る。
一つの家庭で、事故の起る時も、起らない時も、制度的な形式は同じであるが、夫婦喧嘩をしたり、家族の感情の衝突が内に篭っていたりするときに、添寝中の幼児の窒息、別室のベッドに寝かせてあった幼児の墜落死、学童又は幼稚園児の交通禍、熱湯や熱い味噌汁やアイロンによる子供の火傷、その他、良心の不注意及び子供自身の不注意から起る災害も、単に物質に対する注意や管理を行き届いてしたら防げるというものではなく、
表面はどんなに注意しても、潜在意識に、敵対感情、犠牲感情、闘争精神、傷つけたい心が潜んでいるときは、そのような心の具象化として、色々自分自身や家族を傷つけるような生活上の錯誤が起って来るのである。
フロイドの『生活心理の錯誤』〈日本教文社発行〉の本など見ると、それが詳しく実例で説明されている。
谷口雅春師 『生長の家』誌 昭和40年8月号