Japan In-Depth 8月11日(月)15時55分配信
朝日新聞が8月5日と6日の紙面で長年の慰安婦問題報道の虚構をついに認めた。
いわゆる従軍慰安婦の問題が日本にとって国際的な 「ぬれ衣」 となってきたことや、そんな事態を引き起こした朝日新聞の誤報の責任ついては、私もこの連載コラムの6月30日分で 「<慰安婦問題> 河野談話と朝日新聞の罪 ― なぜ事実ではない 『強制連行』 が世界中で広まったのか?」 というタイトルの一文で取り上げた。
その元凶の朝日新聞が2日にわたり、ついに長文の訂正記事を出したのだ。 朝日新聞が慰安婦問題についての虚構の報道を始めたのが1982年だったから、32年後にやっとそのミスを認めたのである。 世界のジャーナリズムの歴史でも珍しい大誤報の自認であり、同時に日本の国家や国民の名誉を長年、不当に貶めてきた日本の戦後史上でも珍しい 「犯罪」 の露呈なのだ。 思えば、恐ろしいことではないか。
しかもこの訂正記事も冒頭では 「慰安婦問題の本質 直視を」 と他者に指示を与えるような表現を主見出しとして、自紙の重大な虚報の責任を認めない姿勢をみせる。
朝日新聞としての日本国民への謝罪も反省もないのである。 この点では私はむしろ 「朝日新聞問題の本質 直視を」 と訴えたい。
この長文の朝日新聞の記事をよく読むと、年来の報道内容の主要点の虚構を虚構として認めている。
ただ一般の目にそのように映らないために、空疎なレトリックを気の毒なほど多々、使って、実態を糊塗しているのだ。
この記事で朝日新聞がはっきり認めたのは、
(1)慰安婦の 「軍や官憲による強制連行」 説の主要根拠となった吉田清治証言はまったくの虚偽だった
(2)慰安婦の強制連行を裏づける材料とされた 「女子挺身隊」 は慰安婦とは無関係であり、その混同や誤用は虚偽だった
(3)「軍による女性の強制連行」 説にはなんの証拠もない
という諸点だった。 いずれもその 「虚偽」 や 「証拠もない」 ことを朝日新聞は事実として長年、報道し、全世界に 「日本軍の20万の性的奴隷」 という虚構を広めるという結果を招いたのである。
だがその朝日新聞はいまも 「強制」 という言葉の意味をねじ曲げ、慰安婦問題での日本側の 「非」 をなお対外的に発信し続けるのだ。
こうした朝日新聞の本質にはその被害者となる日本国民のオールジャパンとしての責任追及が必要であろう。
古 森 義 久 (ジャーナリスト)