産経WEST 2014.7.30 08:15
和歌山県が主催する10月の津波災害対応実践訓練の詳細が29日、明らかになり、米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが、緊急物資輸送と重傷者の搬送訓練に参加することになった。 仁坂吉伸知事は同日の定例会見で 「オスプレイは航続距離も長く、スピードも速い。 どんどん来て協力してもらえたら」 と、災害時の活躍に期待を寄せた。
県によると、オスプレイが自治体主催の防災訓練に参加するのは、今回が初めて。 訓練は10月19日、東海・東南海・南海3連動地震を想定し、災害対策本部となる県庁南別館のほか、田辺市、白浜町、串本町で実施される。 陸海空自衛隊、在日米軍、県警、医療機関など約80機関5千人が参加。航空機26機、艦艇4隻も加わり、過去最大規模となる。
オスプレイは普天間飛行場 (沖縄県宜野湾市) から岩国基地 (山口県岩国市) を経由し、和歌山へ。南紀白浜空港で水などの救援物資を積み込み、串本町潮岬の望楼の芝に着陸。 重傷者役の自治体職員を、串本沖に配備する海上自衛隊の護衛艦 「いせ」 に搬送する。 県危機管理局の高瀬一郎局長は 「住宅地などは飛ばず、安全な高度・ルートで飛行する」 と強調。 オスプレイは2機参加するが、うち1機は予備として上空に待機するという。
また、米海兵隊の輸送機CH-53Eスーパースタリオンも参加し、南紀白浜空港から災害派遣医療チーム (DMAT) を串本町へ移送する。
防衛省統合幕僚監部運用部の杉本洋一・運用第3課長は 「(大規模災害時は) 自衛隊だけでは対処できない。 県や関係機関とどのように情報共有し役割分担するか、勉強になる機会だと思う」 と話した。