この世界を二元的に考えてはならないと同時に、二元的に行動してはならないのである。
宗教の道場や教会でその教えを感心して聴いているけれども、実際生活は闘いの世界だから、闘わなければならないとか、実際生活は騙し合いの世界だから、こちらも駆引きが必要だなどと考えてはならないである。
物質は何処の世界に於いても必要であり、嘘をいわないことや、生物を愛して、苟も殺生をしないというような事や、自分の利益のためには、他の人には損をかけるのもやむを得ないなどというような考え方はやめなければならない。
この世界には 「与えたものが与え返される」 という “平衡の法則” が支配しているのであるから、人を欺いたものは欺かれるし、殺した者は殺されるし、損をかけたものは損をかけられ、奪ったものは奪われるのである。 それが今直ぐあらわれるか、或る期間後にあらわれるかの相異があるだけである。
谷口雅春師 『生長の家』誌 昭和３９年１１月号