人間は自己に忠実でなければならない。
併し、その 『自己』 と云うのは如何なる自己であろうか。
美味なる食物を欲し、美しき服装をし、異性と戯れ遊びたいような煩悩が本当の自分の 『自己』 であろうか。
『自己に忠実でなければならない』 と云う語で多くの人々は利己的本能に身を投じて、魂の節操を失ったのである。
『自己に忠実であれ』 と云う場合の 『自己』 とは、肉体の本能的自己のことではないのである。
肉体は、魂が地上に於いて仕事をなすための乗物又は作業服として、その自己修復
自己保存のオートメーション作用としての食欲や性欲を発動するのであるが、それらの欲望は飽くまでも 『魂』 の使命を果さしめるための基礎工事としての欲望であって、 『魂』 そのものの願望ではないのである。
自己保存のオートメーション作用としての食欲や性欲を発動するのであるが、それらの欲望は飽くまでも 『魂』 の使命を果さしめるための基礎工事としての欲望であって、 『魂』 そのものの願望ではないのである。
『自己に忠実であれ』 と云うのは 『魂』 そのものの願望に忠実でなければならないと云うことである。
谷口雅春師 『生長の家』誌 昭和33年9月号