家相を気にしてはならない。
家相は住む人の心の状態によって、どうにでも変るものである。
家相は家の輪郭や間取りだけで固定してしまっているものではないのである。
それは人間の人相が顔の輪郭だけできまるものではなく、顔の道具 〈眼、鼻、口等〉 の配置によって、よくも悪くもなり、憤怒して眼をつり上げれば険しくなり、笑って眼尻が下がればやさしくなるように、家相はその家に住む人が家の道具を何処に配置するか、その置き場所によって変るのである。
そして家具等を何処に置くかは、住む人自身の心できめるのであるから、家相も人相と同じく自分の心によって良くもなれば悪しくもなるのである。
谷口雅春師 『白鳩』誌 昭和37年12月号より