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Channel: 晴れときどき競馬とホークス
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12月31日  全ての把住を放ち去る日

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 愈々、「汝の持てる全ての物を売りてこれを貧しき者に施せ、而して汝の十字架を負いて我に随え」  というイエスの教えを今日こそ実行すべき、今年最後の最終の日であるのである。


 「汝の持てる全てのものを売れ」 というのは、単なる物質の所有財産を売れということではないのである。 唯物論的な人間観、「物質は実在する」という人類一般の常識、少しばかりの学的知識をもっていることを鼻にかけた高慢な心、金銭さえ貯めて置けば何でも此世の事は自由になるなどという拝金宗 ―― このような 「心の中に持っている全ての塵埃」 を悉く心の中から棄て去って 「無」 にまで施すということである。 〈註:「貧き者」とは「無」の象徴である〉

 こうして一切の迷い、迷いの根元たる唯物論的“存在観” を 「無」 にまで還元して、十字架にかかって “肉体” を無にまで抹殺したときに Cross は十字架であり、 ×抹殺であり、同時に +〈プラス〉であり、復活であり、「真の自己」 なる霊的 “神の子” が復活するのである。 この事をイエスは自己の生涯に事実をもって証明されたのである。


 さらば読者諸賢よ、この一年の最後の日に、一切の過去を棄て、心の中につかんでいた唯物論的な一切を悉く棄て去り、霊的に生れ変って、新たなる “神の子” としての生涯を、来たるべき年に迎える心の準備をいたしましょう。

 来たるべき新年はこの自覚により新生せる輝かしき年であることを諸賢と共に信ずるのである。 今年一年じゅう多くの愛語・愛念を送られた読者諸賢に深甚の感謝の意を表します。



                谷口雅春師  『生長の家』誌 昭和41年12月号

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