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癒された人は、神の栄えを現さねばならぬ

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 皆さんのうち誰でも病気が癒されるのは、自分が神を利用して助かるために癒されたのではなく、神様の栄えを現さんが為に神様が奇蹟を演じたまうたのであります。 それを自分だけが治ったらそれを隠して置いて、自分だけ得を取って、人に功徳を施さないで、 「恩返しに教を伝えましょう」 と云う心を起さないのは、又逆戻りするのであります。

 奇蹟が起るのは、神の栄えを現す為に神様を知らないような人に “私は斯う云う体験がある” と体験によって神様を指し示す為に、そういう奇蹟というものが出て来る訳であります。 

 神様はこんな肉体みたいなものを治してみたってつまらんと考えておられる。それは肉体をいくら治して置いたとて、何百年も保つものではないのであって、どうせ今は治っても腐ってしまうもんですから、そんなに治してみたってつまらん ―― という事になるんだけれども、神様はその肉体の奥にある其の人の魂を向上せしめたいというわけで、その機会を与えるために病気を治し、 “神の存在を知らしめたい” というのが、これが神様の願いであるのであります。

 それですから、癒された人はその栄えを神に帰して、神様の道を弘めようとする時に、その治りが更に色々の経済的な状態にまで発展して行って豊かになるという事になるのであります。 だから生長の家講師たる者は、一時的に病気が治って、あとから又再発するような治し方をしてはならない。


 本当の癒しというものは、単に肉体の一部が病気が癒されるだけではなく、人間全体が全面的に癒されなければならない。 病気だけが癒された結果、身体が丈夫になったから神様が太くなって、どんな悪いことも平気で出来るとか、恩を忘れて利己主義者になるよな導き方をしてはならない。 肉体だけでなく、心も魂も癒されるように導いてあげなければ、本当の導き方にはならないのです。

 治して貰っておいて、あちらを向いて “さよなら” というように導いたら、それは人間を恩知らずに導いたのであって、それは魂の上から言うと却って悪く導いたという事になるのであります。

 だから皆さんは折角この教えを伝えるときには、その伝えられた人が必ず少なくとも十人には伝えるというように導いて頂きたいのであります。 誰でも十人位は勧め易い近親者や友人があるでしょ。 生命保険でも外交員になったらですね、最初は誰でも親類の人や、知人の人に頼んではいってもらって、責任契約額を果すのであって、それから後は、その人の熱意と手腕とにあると言われています。 生命保険でさえもそうでしょう。 そうすれば人を救ける、真に生き甲斐を与える生長の家の教えは、一人が十人位に伝える位の事くらい何でもない易しいことだと私は思うのであります。 

 こうして一人が十人に伝えたら、十人のうちの一人や二人位は本当に又真剣になり、本当に神から与えられた使命を自覚して、神様の為に伝道しようという人が出来て来るに相違ないのであります。 そうすれば本当に真剣に真理を伝える人が次第に倍加倍加して行って、ついに人類全体を光明化することも可能となるのであります。

 だから、肉体を癒すことだけを主眼にしないで、魂を救い、それによって神の栄えを現す人数を倍加、倍加していって頂きたいのであります。

     
                 谷口雅春師 『生長の家』誌 昭和36年9月号
                        (指導者特別詳密教修会 速記録)

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