感謝の心は、すべての人々をあなたの味方にすることができるのです。
感謝されるとき、相手の人は、屹度全力をつくしてあなたのために尽してあげようと思うでしょう。 自分が一所懸命に尽しても、その努力を認めて感謝してくれなかったら、力が抜けてしまって努力が続かないのが普通の人間の心理なのです。
あなたの子供が努力して勉強し、成績をあげていても、両親がそれを認めて賞めてくれず、感謝してくれなかったら、子供は張り合いがなくなって努力しなくなるでしょう。
誰も認めず、誰も賞めてくれず、誰も感謝してくれなくとも、使命に対して邁進できる人は、特別に霊魂の発達した人のみに限られているのであって、普通人にはやはり認めて賞めて感謝を献げてあげるとき、その完全な実相が喚び出されて来るのです。
私たちは感謝の言葉を語るとき、賞讃の言葉を語るとき、 “神の愛” が地上の人類を照らし温めるためのチャンネルとなることができるのです。 植物が太陽の光を受けて伸びて行くのと同じように、人間は、 “神の愛” を、親や、夫や、先輩の “讃め言葉” や、 “感謝の言葉” を通じて受けて、その魂が生長して行くのです。
たった一語の感謝や賞讃の言葉が、どんなに相手の人に生き甲斐を感じさせ、仕事や勉強の励みになるか気が付かない人が多いのは残念なことであります。
谷口雅春師 『白鳩』誌 昭和39年7月号より