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「われ山頂より雲を招ぶ」

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 『・・・・・ 今は実に人類の非常時であります。 凡ての宗教は真理の山巓を目蒐けて登る登山道であります。 登山道によってその展望は異る。 登山道の各々の展望が異るともいづれも不二の山巓に到る登山口であることに相違はない。 各宗教相争うな。 相争うは各登山道の風光相異を語るに過ぎないのである。

 ひとり 「生長の家」 は山頂より俯瞰して、一切の宗教を、そのままの真理に於て改宗を強いず (改宗を強いることは登山道を改めしめることである) して、一望の下に包容するのであります。

 色々の宗教は形を祭るが、 「生長の家」 はただ真理を祭る。 色々の宗教は石材木材等にて神殿寺塔を建立するが、生長の家はただ真理の言葉の神殿を建立して、その神殿 (聖典) の中に真理の言葉を祭り込むのであります。

 形の神殿でありますと、仏教と神道と基督教とでは、その神殿教会堂塔伽藍の建て方がちがう。 その建て方を見て互に異教徒と呼び、排他的になるのでありますが、 「生長の家」 では形の神殿を超えて、不二の真理の山頂より俯瞰して一望の下に収め、あの堂塔もよい、この神社もよい、この教会もよいとして、それでいて今迄の宗教に活が入り入魂されるのであります。

 それは唯、山頂にいる者、不二の真理の山頂から俯瞰する 「生長の家」 にして能う処であります。 

 全世界にこの真理の聖典を満たせよ。 われ今不二の真理の山頂にいて雲を招ぶ。 雲来りて真理の言葉をのせて、全日本に、やがて全世界に、その真理を運ぶであろう』



               谷口雅春師 『生長の家』誌 昭和9年5月号より  

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