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中韓の“蜜月”にくさびを打ち込めたのか?  日韓首脳会談で安倍首相がとった戦術とは…

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産経新聞 11月8日(日)10時14分配信

 約3年半ぶりの開催となった11月2日の日韓首脳会談は、韓国のいびつな思考回路を際立たせた。 中国を厚遇する一方で、安倍晋三首相への待遇を軽んじる外交非礼もいとわない韓国の姿勢は、自国の恥を国際社会にさらし、日本側の不信感を増幅させるだけだった。 安倍首相は中国に傾斜する韓国を引きはがし、「日米韓」の連携を強めたい考えだが、しばらくは韓国に手を焼く場面が続きそうだ。

 ■自民党「無礼な対応」

 「会談は大変無礼な対応だった。対話は必要だが、代償を伴うことを韓国に知ってもらうべきだ。 ご機嫌取りで対話の窓口を開くことがないように願いたい」

 4日に開かれた自民党の外交部会・外交・経済連携本部合同会議で、日韓首脳会談の報告を受けた議員が次々と発言した。 これまでさんざん裏切られてきた韓国に対する不信感の根強さをうかがわせた。

 日韓外交は、韓国のちゃぶ台返しの連続だった。 韓国は1965年の日韓請求権協定で法的に解決している慰安婦問題を蒸し返し続け、朴槿恵大統領は首相による謝罪を求めている。 最近でも国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産への「明治日本の産業革命遺産」登録をめぐり、外相会談合意を無視して「強制労働」を声明に盛り込もうとしてきた。

 しかし、日本の歴代政権は「これが最後」と妥協を続け、韓国をつけあがらせてきた。 安倍首相はその教訓を踏まえ、韓国側が求めてきた前提条件をのまず、辛抱強く対応してきた。

 ■外交ラッシュが絶好の機会

 「南シナ海の現状は国際社会共通の懸念事項だ。 米軍の行動は国際法に合致し、日本は直ちに支持した。開かれた自由で平和な海を守るため、さまざまな機会で韓国や米国と連携していきたい」

 ソウルの大統領府(青瓦台)で約1時間40分にわたって行われた2日の日韓首脳会談で、安倍首相は朴氏にこう語りかけた。 朴氏の返答は明らかにされていないが、日本政府同行筋は「問題意識は共有していた」と断言する。

 韓国は歴史認識で中国とそろって対日批判を強め、経済分野でも中国への傾斜を強める。 朴政権は、中国が南シナ海で岩礁を埋め立て人工島を造成していることに対する米軍の「航行の自由作戦」に明確な態度を示していない。 苦々しく感じているのは日本政府だけではない。米政府も同じだ。

 オバマ米大統領は先の米韓首脳会談で、中国の国際規範に反する行為に「同じ声」を上げるよう朴氏を促した。 だが、朴氏はこれに応じていない。

 本来であれば、東アジアで軍事的脅威を一方的に高める中国と北朝鮮に対し、「日米韓」による安全保障体制が韓国にとっても望ましく、相互利益になるはずだが、歴史認識に拘泥し、中国と共闘する韓国の存在が不安定要素になっている。 米国という同じ同盟国を持つ韓国に対し、首相は日韓首脳会談で「米軍」「米国」というお互いに共感し合えるはずの言葉を投げかけ、「日米韓」の連携を取り戻そうとした。

 首相は今月中旬から年末にかけ、外交ラッシュを迎える。 20カ国・地域(G20)首脳会合、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議、東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議、気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)と国際会議が続く。 中国の南シナ海問題を国際社会に共通する懸念事項とする“中国包囲網”を形成するには絶好の機会だ。 中国を牽制(けんせい)すると同時に、韓国に対する強いメッセージにもなる。

 首相は朴氏との間で国際会議の場を利用し、対話を積み重ねる方針で合意している。 韓国を中国傾斜から引きはがし、日米側に取り込む…。歴史認識を振りかざす韓国を相手に今後も見通しは厳しいが、日韓首脳会談はその出発点になったといえる。 (政治部  峯匡孝)


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