点をころがして其処に出来た 『線』 を、丸太棒を横にころがすように、線の長さに対して直角にころがします。 そのころんだ跡を考えますと、 『線』 の 『長さ』 のほかに、 『幅』 の延長ができます。 すなわち 『長さ』 と 『幅』 との二つの延長で組み合わされた 『面積』 ができるのであります。 この二つの延長をもつ存在を 『二次元の存在』 と申します。
単に目隠しされた馬車馬のように唯まっすぐ進むだけでなく、周囲が見えるのです。 周囲が見えるから、周囲と仲よく共存しようと考えたり、周囲の人々への思いやりの感情が涌いたりします。 大分、生活の視野が拡大して来たのです。 それが悪い方にはたらくと、周囲のものを侵略しようという風にはたらきます。
このような二次元的な生き方をする人には、左右が見え、前後が見え、面積は見えるけれども、上方は見えないのです。 神が上方から見ていてもそんなことはわからないで奪い合いや、侵略を平気でやる種類の人があれば、その人は二次元的生物だというほかはありません。
谷口雅春師 『生長の家』誌 43年3月号より