平和は単に平和を愛好して、“平和” “平和” を絶叫しながら街頭に騒然と行列する人によっては実現しないのである。
“平和”は心の中に真に“平和”を確立した人が、すべての国を、すべての民族をすべての国民をその自己の“平和”の心をもって礼拝しつつ事を為すことによって得られるのである。
敵を倒すべく起ち上って角材や石ころで相手を傷つけることを計画するような “闘争精神” に充ち満ちた人間によっては平和は得られないのである。
この世界には、「類は類をもって集る」 という法則があるのであって、「平和の心」のみ「平和」を招き寄せる事ができるのであって、「闘争の心」は結局、闘争を招き寄せることになるのである。
平和を愛好しながら、争闘を好む者は、「天国へ」と口に叫びながら地獄に向って走りつつあるようなものである。
谷口雅春師 『生長の家』 43年2月号 より