誰でも成功したいと思って仕事をしているのですが、成功しない人もあります。 一所懸命に仕事をしても成功しない人は、なにか、その理由があるはずですから、それを反省して改めれば成功するのです。
谷口雅春先生の著書 『真理』 第2巻に、「いかなる職業に従事する人でも、また如何なる境遇にいる人でも、必ず成功する唯一の秘訣というものがある。 その秘訣とは、敬虔なる感謝と快き微笑とをもって深切を尽すということである。 万事万物に感謝し、微笑をもって、自分の接する総ての人々に深切をつくすということである」
このように教えておられます。 どんな時でも、心からの感謝、気持のよい感じを与える微笑、そして深切をつくし、すべてのものに、事に感謝すれば、いかなる職業の人でも、また、どのような立場にある人でも、周囲の人から愛され、すべての人々と調和しますから、必ず成功します。
自分のしていることが、どうも、うまく行かない時には、他人をせめず、自分を反省してみることです。 そして感謝と、微笑と、深切とを、心から現しているかどうかを反省してみることです。
なにか自分に都合の悪いことが起こりますと、私達は誰かが悪い、とその責任を他人にかけたくなるものです。 自分に都合よくはこんでいる時には自分の力だと思うのですが、都合が悪いことが起りますと、どうしても他人の誰かに責任をかぶせたくなります。
このように都合の悪い時は、他人が悪いと思い、都合の善いときは、自分がしたのだと思いやすいものです。 それでは自己反省の機会がありません。 また、自己を伸ばすことはできません。 自分に都合の悪いことが起ったときこそ、自分のどこが間違っていたのか自己反省する一番よい機会なのです。
生長の家の教にふれるまでは、私はなにか自分に都合が悪いことが起りますと、その責任を他人にかけて、自分がいい子になっていました。 ところが 『生命の實相』 を読みますと、自分の環境も運命も、自分の心の現れである、と教えていますので驚きました。
そうなりますと、どんなことが起こっても一切の責任は自分にかかってきます。 ですから私は何回も 『生命の實相』 をほうり投げて 「もうやめた」 と叫びました。 それは自分が苦しくなるからです。 それまでは悪いことが起ると誰かに罪をかぶせて、自分は逃げていたのですが、生長の家の教にしたがいますと、自分が逃げられなくなりますので、とても苦しかったのです。
今まで知らなかったことをたくさん教えられますので、また読み続けるうちに、その真理がだんだんとわかってきました。 なにか悪いことがおこるのは、自分の、今までにして来たことに、どこか間違いがあったからなのです。 私達のカラダのどこかが痛いとか、気持が悪い時には、カラダに異常がある証拠であるのと同じように、自分のしていることのどこかに間違いがあるということだとわかってきました。
それは 「今までのやりかた」 ではダメだよ、ということを教えてくれているのです。
自分になにか悪いことが起った時、他人のせいだと思っていては、その他人が善くなってくれませんと、自分が善くならないのです。 つまり自分の運命も環境も全部が他人によって支配されていることになります。 それでは自分の運命を自分え切り開くということができなくなります。
そのことに気がつきました時に、一切の責任は自分にあるということは、自分さえ変われば自分の運命を自分で切り開くことができると、いうことなのだとわかり、勇気百倍しました。
「一切の責任は自分にある」 ということは、 「自分が変われば、一切が変わる」 ということであったのです。 そこに成功の秘訣があります。
徳 久 克 己 医学博士 『精神科学』より