愛の言葉、讃嘆の言葉は人々を勇気づける。 夫にも、子供にも、その他すべての家族に対して、愛と讃嘆の言葉を雨ふらすのが良き妻のつとめである。
良人にも気分の変化の周期というものがある。
良人が憂うつな気分でいるときには過去の快よい想い出や、将来の希望の実現などを話し、良人がその希望実現の能力がきわめて豊かにあることを指摘して、気分の昂揚をはかるがよい。
良人の気分が退潮している時は、彼の気分が幼児に還元しつつあるのであるから無性に淋しいのである。
そんなとき妻は、母親になった気持で良人を母のごとく抱きしめてあげるがよい。 妻は時には良人の恋人にならねばならぬし、或る時は母親に、あるときは姉のごとく、あるときは妹のごとく、或る時は旅館の女中のごとく 「ハイ」 と素直な返事をし、そしてそれらすべてでなければならないのである。
光明面のみを見よ。 あなたの良人の、あなたの子供の美点のみを見て、たといその美点が今は小さくとも、それを言葉にて讃嘆し、心にて尊敬せよ。 美点はだんだん拡大されていって、やがてすべての欠点を消してしまう偉大なる光明にまで発展するのである。
谷口雅春師 『生長の家』誌 昭和43年9月臨時増刊号