産経新聞 11月13日(木)7時55分配信
九州電力川内原発(鹿児島県薩摩川内市)が地元同意を取りつける中で、原発再稼働の機運を盛り上げようと、経済界や有識者でつくる 「原子力国民会議」 (東京) は21、22日に佐賀県唐津市と福岡市中央区で第2回九州集会を開く。 専門家による講演会を通じて、原発の正しい知識や情報を広く周知する。
九州集会は 「子供たちのために、みんなで学ぶ 放射線と原子力」 をテーマに開催する。
21日午後7時から、唐津市文化体育館文化ホール (唐津市和多田大土井) で、九州工業大客員教授で元三菱重工業の原子力技術者、金氏顯(あきら)氏が 「原子力の再出発~福島の教訓と今後の安全に~」 と題して講演する。 東京電力・福島第1原発事故を教訓にした新規制基準や、これに基づく安全対策などについて、わかりやすく解説する。
講師のもう1人は、ルイ・パストゥール医学研究センター (京都府) のインターフェロン・生体防御研究室長、宇野賀津子氏で、「低線量放射線の影響と福島の今」 として、正しい福島の現状などを報告する。 宇野氏は福島で問題となっているような低線量放射線が人体へ与える影響について詳しい。
22日は午後1時半からホテルニューオータニ博多 (福岡市中央区) で開く。
こちらは宇野氏のほか、北海道大工学研究院教授の奈良林直氏が 「地球環境保全と原子力の再出発~人類の未来の為に~」 と題して、原発の必要性などを訴える。
21日、22日とも参加無料。
原子力国民会議は、原発停止が招く日本経済の弱体化を憂慮し、今年4月、経済界や有識者有志が設立した。 元東京大総長の有馬朗人氏や経団連名誉会長の今井敬氏 (新日鉄住金名誉会長)、JR東海名誉会長の葛西敬之氏、 九州経済同友会代表委員の石原進氏 (JR九州会長)、 ジャーナリストで元原子力委員会委員の木元教子氏の5人が共同代表を務める。
原子力国民会議は九州集会に合わせて、11月29日と12月13日に九電・玄海原発 (佐賀県玄海町) の見学ツアーを実施する。 福島原発事故以降、九電が進めた安全対策の現状を視察できる。
ツアーは参加費2千円 (小学生1千円) で、事前申し込みが必要。 締め切りは11月29日開催分は11月13日、12月13日は11月27日。
集会や見学ツアーの申し込みや問い合わせは、九州経済同友会事務局(電)092・721・4901。