真理を知った人を仏教では仏陀という。
仏陀とは “解脱” 即ち “自己解放” を完全に遂げた人のことである。
日本語では仏陀のことを “ホトケ” と呼ぶ。
ホトケとはホドケルと語根を等しくしていて、一切の束縛から自己解放を遂げるという意味である。
人間は真理を知らない時には、目先の現象にとらわれて “迷い” に陥り、
その迷いによって自縄自縛して動きがとれなくなるのである。
真理を知ったとき、その人の迷いはなくなり、その人は自由自在の境涯に入ることができるのである。
真理を知ったときその人は巷の雑音に動かされて動揺することはなく、
決然として、自己の為すべき正しき使命に邁進し得て有効なる結果を得ることができるのである。
谷口雅春師 『生長の家』誌 昭和41年11月号